先生が死んだ
彼と結婚して3ヶ月後のことだった
桜が散り終わる頃だった
社会人2年目の新米教師
16歳年下
風当たりはかなり強かった
遺産目的だと先生の実家からは罵倒された
私が持っているものは
先生からの結婚指輪と先生の息子の拓海くん
ただそれだけだった
先生は死を間近にして
とても穏やかだった
私が知ってる先生の中で
1番、綺麗で美しかった
「もしキミに、これから先、キミを幸せにしたいと言う男が現れたら
キミは迷わず、恋をしなさい
その人と幸せになりなさい」
「どうして……どうして……こんな時まで
他の男の話をするんですか……」
「それはね……
僕は……キミが思っているよりも
ずっと…ずっと……
キミのことを
アキのことを
……………………。」
せんせい?
ねぇ
お願い
目を開けて
続きを言って…

