「中身何ですか?」

「コロッケ。僕とハルで作ったの」



護くんの服の裾を引っ張って、主張する悠。

どうやら褒めてもらいたいらしい。



「悠、料理できるのか?凄いな」



彼の想いが伝わったのか、護くんは悠の目線に合わせて屈み込み

わしゃわしゃと頭を掻き撫でて“えらいな”と褒めている。

私が同じことをしても煩そうに、しかめっ面をするくせに

今はハニカミながらも嬉しそうにしている。

なんだか悔しい……やっぱり護くんにヤキモチを妬いてしまいそうだ。



「あ、ゆうくんだ。ゆうくーん!」



同じ幼稚園児の友達が、奥の部屋から手を振って呼んでいる。

昨日、一人熱を出して帰ってしまったから心配をしていたのかもしれない。

「行っておいで」と言うや否や、悠はみんなの元に走り出した。