クローバー♧ハート - 愛する者のために -


「ちょ、悠。病み上がりなんだから」



そういう私の声は悠には届いていないようで、護くんの腕の中で子供らしい笑顔を浮かべて笑っている。

あーもう、妬いちゃうなぁ。そんな笑顔、最近見てない気がするし。

母親よりも、幼稚園の先生の方がいいとか寂しい。

やっぱり男同士、気が合うんだろうか。悠も、父親が欲しかったりするのかな。



「あ、はるさん。昨日はどうも……」



抱き抱えた悠をゆっくり降ろして、私に向き合う護くん。



「いえ、こちらこそありがとうございました。これ、約束の――」



そう言いながら、手に持っていた小袋を差し出す。

護くんは「約束?」と首を傾げながら袋の中身を確かめる。



「あ、お弁当。本当に作ってくれたんですか?嬉しいですっ」



目をキラキラさせながら、私の手を両手で握った。

良かった、喜んでくれたみたい。