クローバー♧ハート - 愛する者のために -


ぼそっと言った、その言葉に太った悠を想像してみる。

ぽっちゃりの悠……更に、太っちょな彼。

んー、それはそれで問題ありか。でも――。



「……ガリガリより、良いでしょ」



そう。いかにも栄養失調で、食べてませんって感じよりかは。

なんて言い返してくるか悠の反応を期待していたけれど、私の顔をジッと見つめた後

何事もなかったかのように、前を向いて歩き出した。


うわっ……聞こえなかった振りしてる。

呆れて反応するのさえ、面倒くさいって思ったのかもしれない。

親の言葉を無視するなんて、百年早いっつーの。


頭を描き撫でようと手を伸ばしたけれど、それはあえなく空振りしてしまう。

何故なら、護くんの姿を見つけ嬉しそうに走っていったから。



「イチにぃ〜」

「悠?……もう、大丈夫なのか?熱は?」



駆け寄ってくる悠の姿を見つけた護くんは、心配そうに近づいてきた。

そんなことを気にもとめないで、悠は彼に飛びつく。