クローバー♧ハート - 愛する者のために -


『ル……ハル……』



悠?……もう、起きて大丈夫なの?熱は?

声が聞える――。

その声に応えたいのに、体が重くて動かない。目さえ、開けられない。



『ハル、僕行くね』



行くって、何処へ?

まだ熱が下がったばかりなんだから、無理しないで。

声を掛けたいのに、口を開くことも出来ない。

ただ暗闇の中に、悠の声だけが響く。

それが不安を掻き立てる。

ねぇ、何処へ行くの?悠。返事をして、ねぇってば!!



『僕はハルの傍にいない方がいいんでしょ』



そんなことない。どうして、そんなこと思うの?

誰かに言われたの?ねぇ、教えてよ。



『お父さんが教えてくれたよ。僕がいなければ、ハルは幸せになれるって』