私たちに指示をする時も、患者さんへの態度もかなり淡々としていて

サイボーグかと思うくらい、顔に表情が現れない。

だから私は勝手に、患者のへの労わりの気持ちなど二の次なんだろうと思っていた。



「そんな筈無いだろう?俺がオペをした患者なら尚更、気にするさ。もっと他に手はなかったのかとかね」



へぇ〜、意外と悔しかったり、悩んだりもするんだ。

人間らしいところもあるんじゃない。



「私達は神様ではありません。例えその先は死が待っていようと、最善を尽くすしかないんです」



死は、この世に生まれてくる人全てに平等にくる。

自然の摂理と言うか、誰にも逃れられない事実だ。

ならば私達は、その事実を受け止めるしかない。



「それは、自己満足とも言わないか?」

「……そうかもしれません。でも助けてほしいと願う人がいるなら、私は出来る限りのことをしたい」