「嬉しいけれど、それは――」

「俺じゃ、ダメですか?頼りになりませんか?」



そうじゃない。ただ、迷惑を掛けたくないだけ。

私の揉め事に、幼稚園の先生を巻き込むわけにはいかないでしょ。



「これは、私の問題です。先生にご迷惑をお掛けするわけには――」

「それこそ、迷惑だなんて思いません。俺……はるさんの事が、ずっと前から好きだったんです」



え……嘘。なんで、そんなこと今――。

ビックリして、言葉が出ない。



「スミマセン。こんな時に、言うつもりじゃなかったんですけど……」

「私、は――」

「返事は直ぐじゃなくていいです。今は、はるさんが苦しんでるなら助けたい。ただ、それだけですから」



テーブルについた私の両手をギュッと握りしめて、強い眼差しで私を見詰めてくる。

彼は本気だ。嘘なんて吐いていない。

そんな彼に私はどうすれば――。