悠はそう言うと、水色の可愛い封筒を私に押し付け

小走りで走り去ってしまった。



「なに、それ」



護は後ろから顔を覗かせ、私の手元を見る。



「さぁ。何だろう」



普段こんなことする子じゃないのに、不思議に思いながら封筒を開けた。

すると中に入っていたのは、短い手紙と一枚の栞。

二つ折りにされた手紙を開くと

『たんじょうび、おめでとう。ちょっと早いけど、プレゼントあげる』

と決して綺麗とはいえないけれど、気持ちのこもった文字で書かれていた。


悠、覚えていてくれたんだ。今月の二十三日は、私の誕生日。

まだ二週間も早いけれど、覚えてくれただけでも嬉しい。


プレゼントって何だろう。

一緒に入っていた栞を裏返すと、それは四葉のクローバーを押し花にしたものだった。

いつの間に、こんなものを用意していたんだろう。

私に知られないように、河川敷などで一生懸命クローバーを探してる

悠の姿思い浮かべるだけで、頬が緩む。