「そろそろ、帰ろうか。あ、雪が積もってるかもね」

「えっ?!雪?見たい」



“雪”というフレーズに子供らしく笑顔を浮かべて燥ぐ悠。

本当は、さっき見ているはずなんだけど眠たさのあまり気が付いてなかったんだ。



「ほら。外に出るんならコート着て」



ぴょんぴょん飛び回る悠を押さえつけて、なんとかコートを着せる。

そして、教会のドアを開ければ

そこは一面が薄い白いベールを着せたように、雪で覆われていた。

まだ、しんしんと雪が降り続いている。

悠が望んでいた通り、明日はホワイトクリスマスだな。



「寒いね」



は~っと息を吐くと、直ぐに白くなる。

悠は寒さにお構いなしに、教会の前の広場で雪と戯れていた。

子供って、無邪気で羨ましい。

でも悠は今までこういう姿をあまり見せない……だから、この方が良いな。

これから護くんと家族になって、子供らしい姿をどんどん見せてくれたら嬉しい。