「フッ……そういうところ、好きだな」

「え?」



左隣に座る護くんは、覗き込むように前に体を倒して

私と悠を優しい眼差しで見てきた。



「時々憎まれ口を叩いても、お互いに大切に想っているのが分かる」

「そうかなぁ」



私はこの子のお陰で何度も助けられてるし、命にかえても守っていこうとは思ってる。

だけど悠はどうなんだろう。男の子だし、鬱陶しいとか思ってたりしないかな。



「そうだよ。悠もはるさんと居るときは憎まれ口ばっか言うけど、園では凄くはるさんのこと褒めてるんだよ」

「そうなの?知らなかった。いつも、僕がいないとダメだなって言うのに」



私の知らない悠を知れたようで嬉しい。

この子が、私の事を褒めていたなんて――。

普段は、そんな事口が裂けても言ってくれないのにね。



「好きな子ほど、イジめるタイプなのかもね」