クローバー♧ハート - 愛する者のために -


「はるさん、起きて下さい。着きましたよ?」



肩を軽く揺さぶられ、目をゆっくり開けていく。

あれ……いつの間に眠っていたんだろう。寝るつもり、無かったのに――。



「ごめ、寝てたんだ」

「はい。もう、ぐっすり」



クスクス喉を鳴らして笑う。

そんな私の膝の上に、悠が頭を乗せてまだ寝息を立てていた。



「悠、起きて。行くわよ」

「ん……」



眠い目を擦りながら、ゆっくりと頭を上げ起き上がる。

親子そろって眠るなんて、護くんに申し訳ないな。



「外、かなり寒いから気を付けて」



車の中でも感じる、外の冷たい空気。

肌を刺すくらい寒い。これはマフラーもしておかなきゃ、風邪を引きそうだ。

悠にコートをマフラーを着せ、私もコートを羽織り外に出る。

そこはクリスマス色に彩られた大きなモミの木のある教会だった。