「はるさん、起きて下さい。着きましたよ?」
肩を軽く揺さぶられ、目をゆっくり開けていく。
あれ……いつの間に眠っていたんだろう。寝るつもり、無かったのに――。
「ごめ、寝てたんだ」
「はい。もう、ぐっすり」
クスクス喉を鳴らして笑う。
そんな私の膝の上に、悠が頭を乗せてまだ寝息を立てていた。
「悠、起きて。行くわよ」
「ん……」
眠い目を擦りながら、ゆっくりと頭を上げ起き上がる。
親子そろって眠るなんて、護くんに申し訳ないな。
「外、かなり寒いから気を付けて」
車の中でも感じる、外の冷たい空気。
肌を刺すくらい寒い。これはマフラーもしておかなきゃ、風邪を引きそうだ。
悠にコートをマフラーを着せ、私もコートを羽織り外に出る。
そこはクリスマス色に彩られた大きなモミの木のある教会だった。

