クローバー♧ハート - 愛する者のために -


「はるさん。お疲れさま」



そこへタイミングよく現れる護くん。

彼の車は、本当に目立つ……いや、分かりやすい。

真っ赤なコンパクトカーから降りて、手を振って小走りに私の傍に近づいてきた。



「待った?」

「うんん、そんなに待ってないから。さぁ、行きましょうか」



彼の手を取り、車へ向かう途中

病院のドアが開いて、小さな影が私の傍に走ってくる。



「僕も行くっ」

「悠っ?!」



私の足にピッタリとくっついて離れない悠。



「今日は、大人しく佳純さんのところで待ってて。一緒に連れて行ってあげれないの」

「ヤダ」



抱きしめる力は強く、放してくれそうにない。

珍しい。こんなに聞き分けの無い態度をとるのは、初めてと言ってもいいかもしれない。

どうしたんだろう。