クローバー♧ハート - 愛する者のために -


私が目を開け二人を見ると、悠は私の方をみて

「まだ?」と小声で言い、私の服の裾を引っ張って様子をうかがう。

けれど、護くんはまだ目を閉じたままだ。


随分長く手を合わせてくれてる。私の両親と、話をしているのかな?

暫くして、ようやく目を開けた護くんは何かを決意したような

強い眼差しで墓石を見つめていた。



「何を祈ってたの?」

「ん?あぁ。初めましてって挨拶と、これから俺が陽香さんと悠を幸せにしますって宣言してたんだ」



ニッと笑みを浮かべて立ち上がり、私の隣に並んだ。

両親にきちんと挨拶してくれるあたりは、護くんらしいと思う。

でもそれ以上に”はるさん”じゃなく”陽香さん”と呼ばれたことが嬉しかった。


こういう事を、サラッと言っちゃうあたりズルい。

普段から言ってくれないかなぁ……なんて、欲張りかな。



「さぁ、帰ろっか」

「ねぇ、はるさん」