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そして一ヶ月が過ぎて、十月のある日。
私は、護くんをある場所へと誘った。もちろん、悠も一緒に。
「はるさん、何処へ行くんですか?俺、車出したのに……」
そう。今私たちは、電車に乗ってある場所へと向かっている。
ここ数年、私も行かなかった場所。
でも、本当は行かなくちゃいけなかったんだけど
あの町に行くことが、凄く怖かったから足を向けることが出来なかった。
「着くまでは、内緒」
電車に揺られて、二時間。
私が以前住んでいた町へと辿り着いた。
「この町って……」
「うん。悠が生まれる前に、住んでいた場所なの」

