クローバー♧ハート - 愛する者のために -


睨んでも全然怖くない。だけど、護くんには効力抜群のようで

慌てて私から離れると、一目散に園内に入っていった。



「はるさ~ん。後で、話を聞かせてね」



という捨てセリフを残して――。

ふふっ、護くん。悠と園長先生には弱いんだよね。



「ハル。男はオオカミなんだよ?イチにぃとは言え、気を付けなくちゃ」



“男はオオカミ”なんて言葉、どこで覚えたのよ。

頭が痛くなりそう。だけど悠のお蔭で、護くんから逃れられた。

写真は持っていかれてしまったけれど……。

そんなに見られたくなかったのかな。



「悠、帰ろっか」

「うん」



彼の手を取り、幼稚園を後にした。