「こっちが俺で、笑ってるのが護」

「この頃、母さんが亡くなったばかりで誰とも遊ぶ気になれなかったんだけど、護が無理やり雪だるま作ろうっていいだして。この不格好な雪だるま、俺たちが作ったんだ」



確かに不格好だ。頭と体は丸とは言い難く凸凹していて、目の形もバラバラ。

手と思われる箒と塵取りは傾いていた。

決して上手いとは言えない雪だるまだけど、味わいがあって私は好きだ。

護くんは幼い頃から明るくて、誰とも仲良くなれる子だったのかな。

笑顔の小さな護くんに触れる。会って見たかったな、この頃の彼に――。


拓篤くんはアルバムをめくりながら、いろいろ説明をしてくれた。

それこそ、この家を出る高校卒業まで――。

神谷家を出るころには、夕方になっていた。



「遅くまで、スミマセンでした」



玄関前でお二人に頭を下げる。

アルバムを見ながら、小さい頃や学生時代のエピソードなど

たくさん護くんの事を話してくれた拓篤くん。

二人の仲の良さが感じられた、数時間となった。