分かってる。私だって二年間、彼を見てきた。
保父さんとしてだけど……今まで護くんを見てきて、彼は隠し事なんかするはずないって思ってる。
だからこそ、ご両親に会わせてくれない彼に不安が膨れ上がるんだ。
「護と、結婚するんだろう?」
「それは……まだ、なんとも」
確かに、結婚前提にとは言われたけれど確実に結婚するとは限らない。
特に今の状態では、結婚に踏み切れるかどうかも――。
「でもその気が無いなら、そんなに気にすることもない筈だよね?」
神谷さんの言う通りだ。
彼との“結婚”が先に見えているからこそ、気になってる。
「大丈夫。アイツは誰より、人を思いやる気持ちがある奴だ。君を不安にさせていることも、きっと気付いてる。それでも言わないのは、何か理由があるはずだ。信じてやって欲しい」
そうだよね。護くんは、今までも何度も私を助けてくれた。
私が一人で抱え込まないように、気を遣って傍で支えてくれていた。
今度は、私の番だ。彼が言える時が来るまで、待っていよう。
直ぐに結婚するわけじゃない。悠だって、来年は小学生だ。
少しずつ家族に近づけたら、それでいいのかもしれない。

