「あの……反対、しないんですか?」
諫められると思っていたから、拍子抜けしてしまう。
本当の親でなくても、高校卒業までココに居たなら育ての親といっても過言ではないから。
「反対も何も、あいつが選んだ人だ。私が反対するいわれも無い」
豪快に笑って「良かった」を繰り返す神谷さん。
その顔に嘘は見当たらなくて、心から喜んでいるのが見える。
「あ、もしかして……だから、護の両親のことを聞きに来たとか?」
拓篤くん、感が鋭い!!
目を丸くして彼を見ると、神谷親子は顔を見合わせてよく似た笑みを浮かべて笑った。
「そっか。でも護が話してないことを、俺が話すのもなぁ……」
右手を顎に置き、何かを思案している様子の拓篤くん。
確かに、本人がいないところで秘密をバラすなんてしていいことじゃない。
でも私は知りたい。
「私には、何も言えないよ。これでも弁護士だ。守秘義務がある」

