クローバー♧ハート - 愛する者のために -


本当であれば、護くん本人に聞くのが筋だ。

こんな友人から聞き出そうだなんて、卑怯だと分かってる。

だけど、私が“両親”と言った時の彼の表情。

視線が漂い困ったような、それでいてどこか寂し気な顔をしてた。

あれは、私に言えない何かがある証拠。



「あれ?護、話してないの?付き合ってるのに?」

「あ、はい……」



やっぱり護くんは、私に隠していることがあるんだ。

私にも言えないことって何だろう。



「君は、護と付き合ってるのか?」

「えっと……はぃ」



そう面と向かって言われると、恥ずかしい。

最近は年の差くらい、なんでもないかもしれないけれど

私にとっては、やっぱり引き目を感じてしまう。



「そうか。いつにも増して、私に頼み込んでくると思ったら……やっぱり、そうなのか」



嬉しそうに、目尻に皺を寄せながら笑った。