チビすけ?あぁ、悠のことか。
愛称めいた呼び方で悠を呼んだのは、この人が初めてで何だかこそばゆい感じがする。
私は、彼に会釈をして近づいていく。
新聞を広げていた手を下げて、ニコリと薄い笑みを浮かべるソファに座る神谷さん。
初めてココに来た時と、同じ光景だ。
だけど休日というだけに、Tシャツにスウェットといったかなりラフな格好をしている。
「こんな格好で、すまないね」
私の視線に気が付いたのか、向かい側の椅子に座るように促しながら苦笑いを浮かべた。
「いえ……だけど、ちょっと意外です。常にきっちりとしている感じがしたので」
「普段、堅い仕事をしているからね。休日くらいは、どうしても崩したくなるんだよ」
照れ笑いを浮かべて、頭を掻く。
その頭も以前はきっちり纏められていたのに、今日はワックスも何も付けていないようだった。
「先日は大変お世話になりました。なんとか今まで通り、悠と一緒に過ごせる事になりました」
形式的かもしれないけと、お礼と結果を口にする。

