クローバー♧ハート - 愛する者のために -


「はるさん、女の顔してる。すっごい、色っぽい……帰りたくないな」



名残惜しそうに私の唇を指で撫でて、熱のこもった瞳で私を見詰めてくる。

私の気持ちを見透かされそうで、思わず俯き彼の胸に顔を埋めた。



「ば、ばか」



ドキドキ高鳴る、お互いの鼓動。

このまま、こうしていたい。だけど、そうもいかないのが現実。

両肩を掴まれ体を離すと、夏だと言うのに寒い気がした。



「このままだと、ココで押し倒しそうだから帰ります。お邪魔しました」



そういって、もう一度チュッと触れるだけのキスを落として帰って行った。

私はその場で余韻に浸りながら、彼と触れ会った唇に指先を当てる。


護くんと、キスしちゃった……。

意外と慣れてる気がするけど、今まで何人の女性と付き合ってきたんだろう。

詮索するつもりは無いけど、彼の過去が気になった。