言ってしまおうか。でも、護くんに嫌われるのが怖い。

決心が鈍り、思わず俯いてしまう。

でもこのまま、うじうじ一人で考えてても結論は出ない。



「言ってください。はるさんは一人で抱えてしまうから、俺心配です」

「じ、じゃ……あ、あのね。お願いがあるの、聞いてくれる?」



彼のシャツの裾を握り締め、意を決して見上げる。



「何ですか?俺に出来る事なら、なんなりと」



執事のように胸に手を置いて、ニコリと微笑んだ。



「あの……護くんの……」

「俺の?」



不思議そうに、首を傾げる護くん。

私はゴクリと生唾を飲み込んで、次の言葉を紡ぎ出す。



「ご両親に、会わせて欲しいの」