一通り周り、イルカショーも見終わった頃には陽は傾き

空はもちろん、まわりも茜色に染まっていた。

燥ぎ過ぎたのか、悠もショーを最後まで見ることなく眠ってしまい

今では護くんに体を預けるようにして夢の中にいる。



「はるさん。どうかしましたか?」

「え?突然なに?」



驚いて隣を歩く、護くんを見上げた。

そこには困ったように、眉をさげて私を見る彼の顔。

私、気が付かない内に彼を困らせることをしでかしただろうか。



「いや。時々、不安そうにどこかをみてるから……気になることがあるのかなって思っただけ」



あ……気が付いてたんだ。

あまり考えないようにしていたのに、顔に出ていたのかな。

私の中に生まれた小さな不安は消えるどころか、どんどん大きくなっている。

この幸せは、いつか終わるときが来るのではないかと。



「あ、あのね……」