クローバー♧ハート - 愛する者のために -


不思議そうに首を傾げる、護くん。

もしかして自分が言い出したこと、忘れてる?



「楽しみにしてます」



これだけで分かるかな?一緒に行ってくれるかな?

どんな返事が返ってくるのか、少し不安になりながら待つ。



「あ、はいっ。また、日にち相談しますね」



私の思いとは、いい意味で裏切られる。

ぱぁと明るく輝く笑顔を浮かべて、手を振ってくれた。



「はい……じゃ、また」



そう言うと、彼の反応を見ることなく階段に向き直り

タンッタンッと、軽い足取りで駆け上がっていく。

部屋のドアを開け中に入ると、靴を脱がないまま玄関口で立ち止まる。

暫くして、護くんの車が動き出す音が聞こえた。