クローバー♧ハート - 愛する者のために -


「隠し事してもダメですよ?ミラー越しでも俺、はるさんの事ちゃんと見てますからね」



別に、隠す事じゃないんだけど。

自分の気持ちが固まってない状態で、口に出すことが躊躇われる。

ちゃんと考えて、決まってから話したいと思うから。



「分かってる。ちゃんと考えてるから」



誰に言う訳でもなく、そう呟いて視線を落とした。

真正面から私の事が好きだと言ってくれた、護くん。

だからこそ、時間を掛けて答えを出したい。

私も彼の目を真っ直ぐ見て、伝えたい。



「あの、はるさん。今度、デートして貰えませんか?」



私の声が聞えていたのかそうでないのか、突然彼がそう言ってきた。

驚いて視線を上げると、顔を真っ赤にした護くんと視線が合う。



「え、っと……デート?」

「いや、あの……今日あまり遊べなかっただろうし、悠と一緒に水族館とかどうかなって」