「隠し事してもダメですよ?ミラー越しでも俺、はるさんの事ちゃんと見てますからね」
別に、隠す事じゃないんだけど。
自分の気持ちが固まってない状態で、口に出すことが躊躇われる。
ちゃんと考えて、決まってから話したいと思うから。
「分かってる。ちゃんと考えてるから」
誰に言う訳でもなく、そう呟いて視線を落とした。
真正面から私の事が好きだと言ってくれた、護くん。
だからこそ、時間を掛けて答えを出したい。
私も彼の目を真っ直ぐ見て、伝えたい。
「あの、はるさん。今度、デートして貰えませんか?」
私の声が聞えていたのかそうでないのか、突然彼がそう言ってきた。
驚いて視線を上げると、顔を真っ赤にした護くんと視線が合う。
「え、っと……デート?」
「いや、あの……今日あまり遊べなかっただろうし、悠と一緒に水族館とかどうかなって」

