護くんが男だってことは、最初から分かってることで
ついでに言えば、私に好意を持ってくれていることも知ってる。
だけど裕貴の事があって、まともに考える暇も無かったって言うか……考えないようにしていたと言うか。
じゃそのことが解決した今、結論を出さなきゃいけない訳で――。
私は、彼の事が“好き”なの?
今まで何度も助けてくれて、こんなプライベートなことまで付き合って貰って
正直、凄く助かったし嬉しかった。
今だって、本当は眠いのに勿体ないって思ってる。
この気持ちは、いったい何?
でも、もし仮によ?護くんと付き合って、結婚なんてなったら悠はどう思うの?
護くんは、初婚でいきなりお父さんになる訳で……いいの?
「あの……はるさん。百面相してますけど、何考えてたんですか?」
遠慮がちに、そう聞えた声。
でも、ミラー越しに見えた彼の顔は真剣そのもの。
「あ、いや……別に、何も」
考えていたことが見透かされそうで、思わず口籠ってしまう。

