クローバー♧ハート - 愛する者のために -


護くんが男だってことは、最初から分かってることで

ついでに言えば、私に好意を持ってくれていることも知ってる。

だけど裕貴の事があって、まともに考える暇も無かったって言うか……考えないようにしていたと言うか。

じゃそのことが解決した今、結論を出さなきゃいけない訳で――。


私は、彼の事が“好き”なの?

今まで何度も助けてくれて、こんなプライベートなことまで付き合って貰って

正直、凄く助かったし嬉しかった。

今だって、本当は眠いのに勿体ないって思ってる。

この気持ちは、いったい何?

でも、もし仮によ?護くんと付き合って、結婚なんてなったら悠はどう思うの?

護くんは、初婚でいきなりお父さんになる訳で……いいの?



「あの……はるさん。百面相してますけど、何考えてたんですか?」



遠慮がちに、そう聞えた声。

でも、ミラー越しに見えた彼の顔は真剣そのもの。



「あ、いや……別に、何も」



考えていたことが見透かされそうで、思わず口籠ってしまう。