クローバー♧ハート - 愛する者のために -


護くんの言葉に甘えて、寝てしまおうか。

だけど心のどこかで、眠りたくないと思っている自分がいる。

悠が眠って、二人だけの時間。

もっと彼と話していたい、そう思うのは何故だろう。



「送って貰うのに、そんな訳には……」



素直に言えなくて他の理由を探す。

だけど上手く見つからなくて、結局曖昧にしてしまった。



「襲ったりしませんから、安心して下さい」



私の答えに変な誤解をしてしまったのか、三日月のように目を細めて笑みを浮かべる。



「別にそんなこと思ってませんから」

「……少しは警戒心、持ってくれると嬉しいんですけど?俺だって、男ですし。好きな女の人を前にして、何もしない自信ありませんから」



眉を下げて、少し困ったような顔をした。

安心しろとか、警戒心を持てとか言ってることが矛盾だらけ。

どうすればいいのよ。