護くんの言葉に甘えて、寝てしまおうか。
だけど心のどこかで、眠りたくないと思っている自分がいる。
悠が眠って、二人だけの時間。
もっと彼と話していたい、そう思うのは何故だろう。
「送って貰うのに、そんな訳には……」
素直に言えなくて他の理由を探す。
だけど上手く見つからなくて、結局曖昧にしてしまった。
「襲ったりしませんから、安心して下さい」
私の答えに変な誤解をしてしまったのか、三日月のように目を細めて笑みを浮かべる。
「別にそんなこと思ってませんから」
「……少しは警戒心、持ってくれると嬉しいんですけど?俺だって、男ですし。好きな女の人を前にして、何もしない自信ありませんから」
眉を下げて、少し困ったような顔をした。
安心しろとか、警戒心を持てとか言ってることが矛盾だらけ。
どうすればいいのよ。

