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「悠、寝ちゃいましたね」
後部座席で、私の膝に頭を乗せたまま横になっている悠。
その顔は、本当に天使のように穏やかで可愛い。
「うん。初めての人と会って、ただでさえ気を遣うのに、迷子になって……きっと疲れたんだと思う」
視線を落とし、悠の柔らかな髪を撫でる。
深い眠りに入っているのか、規則的な寝息を立てて起きそうもない。
「はるさんも、寝て良いですよ。寝不足なんでしょ?」
ミラー越しに視線が合い微笑む。
確かに、このまま何もしていなければ眠ってしまいそうだ。
たぶん護くんが、いつも以上に気を遣って運転してくれているのか
揺れや振動があまりない。

