クローバー♧ハート - 愛する者のために -


「ハルのことは心配しないで、お父さん。僕がいるから、大丈夫」



裕貴を見上げ、満面の笑みを浮かべる。

その笑顔と言葉に、一瞬目を見開き驚いた。

悠が初めて、お父さんと呼んだから。



「あぁ、そうだな。悠、陽香のこと頼むな」



悠の頭をクシャクシャと掻き撫でる彼の顔は、とても優しく父親の眼差しそのもの。

そして、目尻にはキラリと光るものが見えた気がした。



「悠、ズルい。私にも“お母さん”って言って~」



心が躍るくらいに嬉しくて、つい私もその中に入りたくなって叫ぶ。

こんな日が、来るなんて夢にも思わなかった。

これもみんな護くんのお蔭。彼がいなかったら今頃はどうなっていたか。

感謝してもしきれない。



「護くん、ありがと」