「あ、そう言えば……私が具合悪かった時に言おうとした言葉、なんだったの?」
ふと思い出した。
今更、どうでも良いことかもしれない。
だけど、あの時裕貴は真剣な顔をしていた。
なんて言ってたっけ……確か『俺さ、本当はお前と……』あの言葉の続きは何??
「え?……あ、あぁ……なんだったかな、忘れた。とにかく、陽香。幸せになれよ」
少し焦ったように、頬を指で掻きながら、歯切れの悪い言い方をする。
忘れた、なんて嘘だ。覚えているはずなのに、言う気が無いんだ。
いや、言う必要が無くなったのかもしれない。
どちらにしても、それ以上聞くなと言っているように見えた。
「俺が、はるさんを絶対幸せにします。約束します!」
割って入るように、恥ずかしげもなく宣言する護くん。
さっきから何なのよう。こっちが恥ずかしいわ。
ちょっとは、羞恥心って言うものを持って欲しい。
「ん、もう!護くん、茶化さないの!!怒るよ」

