クローバー♧ハート - 愛する者のために -


「あ、そう言えば……私が具合悪かった時に言おうとした言葉、なんだったの?」



ふと思い出した。

今更、どうでも良いことかもしれない。

だけど、あの時裕貴は真剣な顔をしていた。

なんて言ってたっけ……確か『俺さ、本当はお前と……』あの言葉の続きは何??



「え?……あ、あぁ……なんだったかな、忘れた。とにかく、陽香。幸せになれよ」



少し焦ったように、頬を指で掻きながら、歯切れの悪い言い方をする。

忘れた、なんて嘘だ。覚えているはずなのに、言う気が無いんだ。

いや、言う必要が無くなったのかもしれない。

どちらにしても、それ以上聞くなと言っているように見えた。



「俺が、はるさんを絶対幸せにします。約束します!」



割って入るように、恥ずかしげもなく宣言する護くん。

さっきから何なのよう。こっちが恥ずかしいわ。

ちょっとは、羞恥心って言うものを持って欲しい。



「ん、もう!護くん、茶化さないの!!怒るよ」