信用してない訳じゃない。今の彼なら、きっと有言実行するだろう。
だけど、敢えてそう言った。
「手厳しいな」
裕貴は苦笑を浮かべながら、頭を掻く。
まるで私がそう言うと分かっていたように――。
「今までの行いが、そうさせるのよ。ねぇ、由依さん」
彼の隣で微笑む彼女に視線を運ぶ。
六年前とは違う。
幸せそうに笑う彼女を、心から応援できる。
「そうそう。しっかりしてよ、旦那様」
由依さんは、彼の頬を軽く抓る。
それに対し裕貴は、ワザとらしく痛がった。
今日の敵は、明日の友。
由依さんとは、いい友達になれそうだ。

