クローバー♧ハート - 愛する者のために -


「興信所の報告書、あれ……実は、お父様がくれたんです」

「嘘だろ、由依。どうして、今まで黙ってたんだよ?」



裕貴の剣幕に怯え、小さく「ごめんなさい」と謝る由依さん。

そんな彼女に戸惑い「ごめん、怒鳴った訳じゃ」と頭を掻いて言い訳した。



「大丈夫です。何があっても、俺が彼女と悠を守りますから」



胸を張って、そう言い切る護くん。

どこから、そんな自信が溢れ出てくるんだろう。

でもどこか嬉しくて、安心できるのが不思議だ。



「ふふっ。陽香さん幸せですね。こんなに想われてて……羨ましいです」



いや、あの……想われてる、なんて――。

思わず、隣に立つ護くんを見上げた。



「陽香。親父の事は心配しなくていい。帰ったら、俺が話をしておくから」



裕貴の言葉に、視線を戻し一つ溜息を吐いた。



「まぁ、期待せずに待ってる」