「ぅん……平気。ちょっと、寝不足なだけ」



心配かけないように、護くんに微笑んだ。

気が抜けたら、さっきまでの体調不良がぶり返したみたい。



「陽香。さっきも具合悪そうだったし、帰って休んだ方が良い」

「あら、それは医者としてかしら?」



冗談めいてそう言った。少し意地悪だったかもしれない。

でもこれからは、こういう冗談も言い合える友人になれればいいと思う。



「医者としてだ。それに俺も、由依を連れて帰りたいんだ。ゆっくり休ませたい」



裕貴は由依さんを支えるように抱きしめ

そして、私は護さんが肩を抱きしめるように支えてくれている。


傍からみると、向かい合って同じ格好をした二組の男女が

なにをしているのかと可笑しな光景かもしれない。

だけど、何故だかそれが凄く幸せに感じた。



「じゃ俺が、悠とはるさんを送り届けますよ」

「そうか、頼んだ。助かるよ」