裕貴は、由依さんの体を支えながら立ち上がった。

少しフラつくみたいだけど、もう大丈夫みたい。



「はい。陽香さん、いろいろ失礼なことして申し訳ありませんでした」



しおらしく頭を下げる由依さん。なんか別人みたい。

だけど本来の由依さんって、きっと可愛らしくて天真爛漫な人なんだと思う。

遊園地に来た時の悠への笑顔は、本物だと信じたいから。



「いいえ。いろいろ誤解があったみたいですし。私は、今まで通り悠と暮らせたらそれでいいんです」



それが、私の一番の願いだ。

私の隣で悠が笑っていてくれれば、今は何も要らない。

いつか悠が私の傍から巣立つときまでは――。


良かった。これで、今まで通り悠と暮らせるんだ。

ホッとしたと同時に、クラッと眩暈がした。



「はるさん、大丈夫ですか?」



ふらついた私の体を、護くんが支えてくれる。