まるでガラス細工を扱うように、ぎこちない動きで彼女に寄り添う裕貴。



「由依。俺たち、ちゃんと夫婦としてやり直そう」

「何よ、今更――」



抵抗するように、裕貴の胸を何度の両手で叩き続ける由依さん。

その声は弱弱しく、涙声だ。



「本当にゴメン。帰ったら、親父にちゃんと言うから。由依は“役立たず”なんかじゃない。俺が全部悪いんだって」

「裕貴……私、裕貴の傍に居てもいいの?」



涙で濡れた頬を拭うこともせず、彼の顔を見上げる。

裕貴の言葉を信じてもいいのか迷ってるのかもしれない。



「当たり前だろ。これからは沢山、話をしよう。出来るだけ夫婦の時間を作るから」



飛び切り優しい笑みを浮かべて、由依さんを見詰める。

そして恥ずかしげもなく「由依、愛してる」と囁いて、額に唇を寄せキスを落とした。



「……もう一度、言って?」