居ても立ってもいられなくて、戸惑う裕貴たちを振り返ることなく私は走り出していた。

当てなんてない。ただ、悠が行きそうな場所。

気に止めそうな所に行ってみるしかない。

楽しそうに行き交う人達。その中に紛れていないか、必死に探していく。


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あれから三十分以上探してるのに、見つからない。

悠、何処にいるの?無事でいて、お願い。



『あ、ハルの好きなクマさんが居るよ』



裕貴と遊園地に行くと決まったある日。

買い物に行ったスーパーで、壁に張って立ったチラシを指さし悠が立ち止まった。



『どこ?あ、ホントだ。カワイイよね~♪このフォルム、仕草、そして声もほのぼのとして……あぁ、ギュッてした~い♡』



そう言いながら、目の前の悠の小さな体を後ろから抱きしめる。