クローバー♧ハート - 愛する者のために -


一見、私のことを心配しているように聞こえるけれど

その言葉は、どこか刺々しい。

やっぱり由依さんは、私のことを良く思っていないんだ。



「え、でも……ハルが」



心配そうに私を振り返る悠を、半ば強引に連れて行こうとする由依さん。



「パパはお医者様だから、任せておいて大丈夫よ」



あ、悠が行ってしまう……そう思うのに、引き止める力も無かった。

普段、ここまで酷くなることないのに――。

それに子供でも楽しめるように、難易度は高くないはずだし。

きっと最近の寝不足が、響いてるのかもしれない。

もうこんな時に……情けない。

それに、裕貴のことを“パパ”なんて呼ばせないで。



「ま、待って」

「陽香、急に動くなって。ほら、水飲んで。由依の事なら大丈夫だから」



裕貴に支えられるように近くのベンチに腰掛け、ミネラルウォーターを口に運んだ。