一見、私のことを心配しているように聞こえるけれど
その言葉は、どこか刺々しい。
やっぱり由依さんは、私のことを良く思っていないんだ。
「え、でも……ハルが」
心配そうに私を振り返る悠を、半ば強引に連れて行こうとする由依さん。
「パパはお医者様だから、任せておいて大丈夫よ」
あ、悠が行ってしまう……そう思うのに、引き止める力も無かった。
普段、ここまで酷くなることないのに――。
それに子供でも楽しめるように、難易度は高くないはずだし。
きっと最近の寝不足が、響いてるのかもしれない。
もうこんな時に……情けない。
それに、裕貴のことを“パパ”なんて呼ばせないで。
「ま、待って」
「陽香、急に動くなって。ほら、水飲んで。由依の事なら大丈夫だから」
裕貴に支えられるように近くのベンチに腰掛け、ミネラルウォーターを口に運んだ。

