クローバー♧ハート - 愛する者のために -


私は意地を張って「平気だ」と言い、四人でアトラクションまで行くことになった。

身長制限も問題なくクリアし、暫く並んで待って、いざ出発。


最初は景色を見る余裕はあったけれど、次第にスピードは増し

上げ下げを繰り返し、蛇行し始めるコースター。

周りは楽しそうに悲鳴を上げているけれど、私はそんな余裕なく

必死に安全ベルトにしがみ付いていた。


そして最後は高台から一気に下降し、水辺に落ちて終了。

その頃には、既に放心状態になっていた。



「楽しかったぁ。ハル、大丈夫?」

「だ、大丈夫……」



興奮気味に笑顔を浮かべて駆け寄ってきた悠にも、そう答えるのが精一杯。

あぁ、こんな姿見せたくないのに――。

うぷっ、気持ち悪い。

吐きそうだ……もう二度と、ジェットコースターなんか乗らない。



「あらあら。大丈夫?あなた、陽香さんを見ててあげて。私は悠くんともう少し遊んでくるから。ね、行きましょう悠くん」