クローバー♧ハート - 愛する者のために -


どうして、こうなるのよ。

運転席には、裕貴。後部座席には、悠と由依さん。そして、私は助手席。

私が車にたどり着いた時には、既に助手席しか空いていなかった。

もちろん後部座席に乗ろうとしたけれど、由依さんに拒まれてしまった。



「すまん、陽香」

「何が?」



不機嫌MAXで言い返す。

大人気ないとは思うけど、今の状況に納得できないもの。

今日、由依さんが来たことも、後部座席で悠を独り占めしていることも。



「いや……いろいろと」



何がいろいろと、よ。

大体、裕貴が由依さんにちゃんと話しておけば、彼女が付いてくること無かったんじゃないの?

会わせるって言ったのは確かにコチラだけど、それは仕方なくで……本当は会わせたくなかったんだから。

悠が、裕貴に会いたいって言うから――。