クローバー♧ハート - 愛する者のために -


「こら、由依。いい加減にしないか。怖がってるだろ」

「そんなことないわよ。ねぇ、悠くん。それに、私達は親子になるんだから」

「由依ッ」



咎めるように、強い口調で裕貴が彼女の名前を呼んだ。



「親子ってどういうことですか?私はまだ、悠を養子にするなんて言ってませんよね?」



裕貴をキッと睨み付ける。

すると裕貴はバツが悪そうに顔を背け、頭を掻くとおもむろに私に近づいた。



「ゴメン。由依には、まだ話せてないんだ」



と私にだけ聞こえるように小声で話す。

話せてない?嘘でしょ。こんなに大切なこと、どうして話してないの。



「裕貴。どういう事?」



裕貴の腕を引っ張り、寄りかかる。

何よ。夫婦仲が冷えきってるなんて言ってたけど、全然そんなことないじゃない。