「こら、由依。いい加減にしないか。怖がってるだろ」
「そんなことないわよ。ねぇ、悠くん。それに、私達は親子になるんだから」
「由依ッ」
咎めるように、強い口調で裕貴が彼女の名前を呼んだ。
「親子ってどういうことですか?私はまだ、悠を養子にするなんて言ってませんよね?」
裕貴をキッと睨み付ける。
すると裕貴はバツが悪そうに顔を背け、頭を掻くとおもむろに私に近づいた。
「ゴメン。由依には、まだ話せてないんだ」
と私にだけ聞こえるように小声で話す。
話せてない?嘘でしょ。こんなに大切なこと、どうして話してないの。
「裕貴。どういう事?」
裕貴の腕を引っ張り、寄りかかる。
何よ。夫婦仲が冷えきってるなんて言ってたけど、全然そんなことないじゃない。

