まだ半信半疑なのか、瞳を揺らしながら小さく答える悠。

答えてから「本当にいいの?」と言わんばかりに、私の方をジッと見つめてくる。

だから、ニコッと微笑んで頷いて見せた。


私は悠の気持ちを受け入れると決めたんだ。

裕貴に会いたいのなら、私が止めることはしてはいけない。

本当は会わせたくないけれど、私の気持ちは二の次。

悠のしたいようにさせよう。今まで、悠が子供心に気を遣わせていた分

今度は私が、自分の気持ちを抑える番なのだから。



「よし、じゃ一度会ってみるといい。機会を設けるための手を貸そうか?」

「あ、でも……ご迷惑じゃ。それに、これは正式な依頼ではありませんし」

「なぁに、構わんよ。いざとなれば拓篤と護に請求するさ」



なぁ、と可愛くウィンクを護くんに向けて投げる。

神谷さんって、意外とお茶目な人なのかもしれない。



「なっ――分かりました。おじさん、よろしくお願いします」



最初だけ驚いた声を上げたけれど、仕方ないと小さく溜息をついて頭を下げる。

私も護くんに次いで「ありがとうございます」と頭を下げお礼を言った。