クローバー♧ハート - 愛する者のために -


数日後、護くんに友達と連絡をとってもらい

弁護士のお父さんに、忙しい仕事の合間をぬって会えることになった。


そして今私は、【神谷】と書かれた表札の前に来ている。

今日、その人に会う日なのだ。

あー緊張する。さっきから心臓がバクバクして、吐きそうなくらい。



「ハル、大丈夫?」

「……ぅん、だいじょうぶ。大丈夫」



全然大丈夫じゃないけど、そう言うしかない。

悠には変な気を遣わせたくないし、今一番緊張しているのは悠かもしれないから。



「はるさん。本当に大丈夫ですか?顔色悪いですよ」



後ろから心配そうに顔を覗き込んで、聞いてくる護くん。



「大丈夫だってば」



そう言わないと、言い聞かせないと足が震えてきちゃう。

ここから私が逃げる訳にはいかない。

あの時、覚悟を決めたんだから。

悠と私が、前を向いて歩くために――。