普段と同じように、笑顔で彼の名を呼ぶ。 すると今度はチラッとこちらを見て、友達と一言二言言葉をかわしてから 私達の方に駆け寄ってきてくれた。 その顔は、気恥ずかしさを滲ませているものの笑顔はない。 「ハル……」 「ホラ、早くしないと特売セール終わっちゃう。急ごう」 差し出した手。 その手に、戸惑いながらも重ねられた小さな手。 「……ん」 まだ少しだけぎこちないけれど、大丈夫。 時間をかけて、いつもの私達に戻って行こう。 彼の手を優しく握り締めて歩き出した。