これじゃ、怒られても無理はない。

一人で息巻いて裕貴と会ったものの、何も解決できなかった。

それどころか護くんに心配させて、結局彼に助けてもらってしまった。



「悠から話を聞いた時には、頭が真っ白になって俺どうしたらいいのか分からなかったんです。だけど体が勝手に動いて、気が付いた時には走り出していました」



悠?今、悠から聞いたって言った?

どうして悠が今日の事、知ってるの?

あの子には、何も言ってな――あ……あの時、裕貴と電話をしてた時隣にいたから。

声が聞えてた?だとしたら、今頃悠は……。



「悠は?……他に、何か言ってましたか?」

「いえ、別に――」



良かった。また、悠を不安にさせたんじゃないかと思った。



「ただ……ハルが何かをしようとしてるから、助けてあげてって」



あぁ……また、私やってしまったんだ。

悠に心配を掛けてしまった。

何やってるんだろう。悠を守るためにしたつもりが、あの子に守られるなんて。