クローバー♧ハート - 愛する者のために -


悠を守る為なら、手放さなくて済むなら、私は鬼にも邪にでもなる。

我が子のためなら、どこまでも強くなれるのが母親なんだから。



「忘れもしない。あなたが、病院内で正式に婚約発表をした日よ。突然、院長室に呼び出されて行ったら、あなたのお父様である孝宏さんがいたの。そして、ハッキリと言われたわ。産むことは許さない、堕ろせとね」



私の話に言葉を詰まらせる、裕貴。

始めて聞く真実に、目を見開いたまま口元を右手で隠す。


きっと彼は今まで誰にも聞かされていない。あの日のことを――。

私はあの日、自分の事をどんなに惨めに思ったことか。

裕貴を好きになるんじゃなかったって、何度も自分を責めた。



「だから私は悠を守るために、あの病院から去ったのよ。悠を殺されると思ったから。あなたに裏切られただけじゃないわ」



動揺する彼の目を見据えて、低く抑揚を抑えて言った。

これで分かってくれるはず。私が悠を手離さないことを。

自分たちの浅はかさを――。