席について、前を見る。
真昼は来てなかった。
それだけで私は、学校に来る意味が無くなったように感じた。
このままここにいてもいいけど、ヒマだ。
それに、視線が気になってゆっくり出来ない。
寝ててもなにされるかわかんないし…。
私はため息をついて席をたった。
教室を出るために廊下に向かう。
「ちょっと」
出た直後、すぐに声をかけられた。
見ると、そこには私を睨む女子の姿が。
「…なにか」
「面かせ」
やっぱり。
「なんで?」
「いいからかせっつってんだよ!」
キーキー喚かないでほしいな、頭に響く。
注目も無駄に集めるし。
「今私、忙しいんだよね」
そう、教室にいれない私はこれから別の場所にいく。
邪魔、してほしくないんだよね…。
「お前日本語わかんないの?来いって言ってんの!」
「わかるけど」
「じゃあなんで――」
「ここでじゃ、ダメなわけ?」
「!?」
驚いた顔をされた。
彼女の取り巻きも、おんなじような顔してる。
ペットは飼い主に似るって、この事かな?
まぁ、驚くのも無理もないよね。
今までは反感買わないように、この姿の時は大人しくしてたもんね、私。
それが急に牙を見せた。
しかも、研ぎ澄まされた牙を。
「ここじゃ言えないことを、他のとこでは言えるんだ」
「…」
口をパクパクさせてる。
急な立場の逆転に戸惑ってるんだ。
「…言いたいことがあるなら、正々堂々ここで言いなさい」
「!!」
それだけ言うと、私は彼女に背を向けて階段に向かった。
視線を感じた。
さっきと違っていたくないのは、きっと気のせいだ。


