ポカンってしてるレンを置いて、私はさっさと行こうとしたとき、
「待て!」
手首を掴まれた。
めんどくさそうな展開に…。
「…何?」
半ばイラつきながら問う。
「――乗れ」
「は?」
「いいから乗れ!」
よく見ると、レンはバイクに乗っていた。
ヘルメット被ってなかったから気がつかなかった。
後ろに乗れってこと?
「なんで」
「はあ?」
意味がわからないといった様子だ。
イラつくなぁ、コイツ。
「遅刻すんぞ?」
「はい?」
遅刻しないし、ギリギリにつくだけだし。
てかそもそも関係ないじゃん、あんたには。
「…まさか、不良が時間厳守とはね」
「何か言ったか」
「いいえ?別に?」
乗せてってくれるのはありがたい。
「じゃあ、お言葉に甘えて」
「は!?」
レンが変な声を出した。
…何、その反応。
まさか、誘ったくせに乗るって予想してなかったとか?
残念ながら、誘惑に弱い人間の一人なんで。
自分のプライドより、楽かそうじゃないか。


