「おら、さっき兄貴にしたことしてみろよ」
「ヒッ」
腕を掴まれ本当の、演技じゃない声が出た。
「は、はなし…」
力が入らない。
嘘、そんな……。
「あ?やってみろよ。オラッッ!!」
お腹に激痛が走った。
殴られたのだと、理解するのに時間がかかった。
勢いのまま、体はそのまま、壁まで飛ばされてしまう。
「ッッ!」
背中をおもいっきりぶつけた。
受け身が出来なかった。
恐怖が身体を縛っていく。
「…誰か……」
こわい。
「おいっ、誰かナイフ貸せえ!切り刻んでやる」
ニヤニヤした笑顔が、私を囲む。
「………いや」
いや、こわい。
逃げたい。
動かない。
ナイフがキラッと目の前で光った。
「助けて……!」


