睨むと男の目は更に見開かれた。
「お前、まさか…!」
残念ながら最後まで聞けなかった。
もう一人の男が襲いかかってきたんだもん。
のんきに聞いてる場合じゃなかった。
「ウオオオオオオオオ!」
「おっと」
ブンッと拳が私の目の前を通過した。
なかなかやるっぽい。
体格もさっきのやつよりいい。
身長も……。
「…チッ」
削れてしまえ…。
「おら!待ちやがれ!!」
私は奥に向かって走り出した。
その時猫目の美女の横を通ったので、そ の瞬間彼女にだけ聞こえるように言った。
「早く『仲間』のところに行ったら?」
「!!?」
後ろをふりかえる。
「オラアアア!逃げんじゃねえ!」
頭にちがのぼってるおかげで、人質という考えは浮かばなかったみたい。
彼女の姿はもうない。
無事に逃げ出せたのだろう。
(…さて)
敵の目も向けられたし、もういいかな?
「……!」
ちょうど目の前道が左右に分かれていた。
あんまり走ってないけど、いっか。
「やっと観念したか?逃がさねぇぞ?」
後ろでわずかに息切れしてる声がした。
「……」
私は壁に背を向けて、男と向かい合った。
「ぜっってぇ許さねぇ、痛め付けて、兄貴を蹴ったことを後悔させてやる」
「えっ!!?」
あれ、あなたのお兄さんだったの!?


