銀狼は一階までおりた。
幸いなことに授業中で、廊下にいる生徒は少なかった。
何も言わないのは、銀狼が居るからだろうか。
それとも、ビックリしすぎて声が出ないとか?
「……ねぇ、どこに行くの?」
我慢しきれずに聞いた。
銀狼は振り向かずに答える。
「わかるだろ、お前なら」
…まぁわかってるけどさ。
でもハッキリしてないと不安じゃん?
確認してみたのに、なんでハッキリ答えてくれないのかなこの人…。
私たちはそのまま校舎を出た。
そして、旧校舎へ。
「入るぞ」
「…ですよね」
はぁとため息をついたとこで、銀狼が私から手を放した。
「え?」
思わず声が出た。
「どうした」
こっちを向いた銀狼はニヤッてしていた。
頬が一気に熱を帯びる。
「な、なんでもないし!」
顔をそらす。
意味わかんない。
放してほしくなかったとか…思うなんて…。
しかも、それを悟られるとか…!
恥ずかしい。


